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(1)水防活動

水防活動とは、水災を警戒し、防御し、及びこれによる被害を軽減する活動をいい、巡視活動、水防工法のほか、避難誘導・救助活動等も含まれる。

◇巡視活動

堤防等を巡視し、堤防の亀裂等の異常を発見したときは、水防本部及び河川管理者等に報告するとともに水防工法等を実施。

◇水防工法

堤防の決壊を未然に防いだり、水害を最小限に食い止めるための活動であり、状況に応じて最適な水防工法を実施。(詳しくはこちら)

積み土のう工
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堤防の上に土のうを積み上げて、水が堤防を越えるのを防ぐ工法で、水防工法の基本ともいえる工法

シート張り工法
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水の流れで堤防が削り取られたり、水が漏れたりしないように、防水シートを張って堤防を守る工法

木流し工法
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水の流れが急なとき、枝葉のよく繁った木を川に流し、水の勢いを緩やかにして堤防が削られるのを防ぐ工法

月の輪工法
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堤防の裏側に水が漏れだしたとき、半円形に土のうを積んで、川の水位と漏れた場所との水位の差を縮めて圧力を弱め、水漏れが広がるのを防ぐ工法

◇避難誘導、救助活動

人的被害の軽減を図るために行う避難誘導や救助活動も水防活動に含まれる。

◇その他

はん濫による被害の軽減を図るために行う排水作業等も水防活動に含まれる。

(2)水防の責任

水防の責任は、市町村(水防管理団体)が第一次的な責任を、都道府県が第二次的な責任を有している。

◇市町村の水防責任

<水防法>
第三条  市町村は、その区域における水防を十分に果すべき責任を有する。ただし、水防事務組合が水防を行う区域及び水害予防組合の区域については、この限りでない。
  ⇒ 水防の第一次的な責任は市町村 (水防管理団体)

◇都道府県の水防責任

<水防法>
第三条の六  都道府県は、その区域における水防管理団体が行う水防が十分に行われるように確保すべき責任を有する。
  ⇒ 第二次的な責任は都道府県

(3)水防団の設置

毎年のように水害に見舞われる我が国では、河川管理者が実施する治水施設の整備と市町 村・地域住民が実施する水防活動が「車の両輪」となって水害被害の拡大を防いでいる。 水防とは自らの地域を自らの手で守る自衛の減災活動であり、その中心となるのが水防団
都道府県知事が指定する指定水防管理団体では、水防団の設置等が義務づけられている。

◇市町村の設置

<水防法>
第五条 水防管理団体は、水防事務を処理するため、水防団を置くことができる。
2 前条の規定により指定された水防管理団体は、その区域内にある消防機関が水防事務を十分に処理することができないと認める場合においては、水防団を置かなければならない。
3 水防団及び消防機関は、水防に関して水防管理者の所轄の下に行動する。

◇指定水防管理団体

<水防法>
第四条 都道府県知事は、水防上公共の安全に重大な関係のある水防管理団体を指定することができる。
 指定された水防管理団体は以下の義務を負う。
  ◆消防機関が水防事務を十分に処理できない場合の水防団設置義務
  ◆水防計画の策定等義務
  ◆水防訓練の実施義務