ホーム > 水防工法 > 水防工法

水防工法 announcement

水防工法とは、洪水の際に水が溢れ出る(溢水〔いっすい〕、越水〔えっすい〕)、水の流れで削られる(洗掘〔せんくつ〕)、堤防もしくは地面からの水漏れ(漏水〔ろうすい〕)などの被害が発生した時に、被害の拡大を防ぐ目的で行われる応急処置作業のことをいう。

<主な水防工法例>

(越水防止)

【積み土のう工】

【積み土のう工】

〔出典〕国土交通省資料

土のうを積み、水が漏らないように間に砂や土を詰めていく。3段以上積む場合には崩れるのを防ぐため前後を2列以上にし、上から鉄筋杭などで固定する。

【改良積み土のう工】

【積み土のう工】

〔出典〕静岡市HP

土のうの間に砂や土を詰める代わりに防水性の高いビニールシートで前面を覆う。土砂が手に入らない場合にも有効。

【せき板工】

【せき板工】

〔出典〕敦賀市HP

洪水等によって堤防が沈下した場合や、増水が激しく流水が堤防を越えそうになっている場合に、堤防天端に軽量鋼板と鋼杭を使いせき板を作製し、土のうをつめ込み越水を防ぐ。

【水のう工】

【水のう工】

〔出典〕埼玉県HP

堤防が沈下したり、増水が激しく、流水が堤防をあふれそうになっている箇所に、ビニロン帆布製水のうを堤防上面に置き、ポンプで水を注入して設置することにより、水のあふれを防ぐ。土砂の少ないところで使う。

(漏水防止)

【月の輪工】

【月の輪工】

〔出典〕国土交通省資料

漏水箇所周辺に、土のうを月の輪状に積上げ水深を保つことにより、川側との水位差を小さくし、漏水量の増加を抑える。

【釜段工】

【釜段工】

〔出典〕国土交通省資料

漏水箇所周辺に、土のうを円形に積上げ、水深を保つことにより、川側との水位差を小さくし、漏水量の増加を抑える。

(洗堀防止)

【木流し工】

【木流し工】

〔出典〕国土交通省資料

川側斜面に投入した樹木の抵抗力により、堤防表面の河川流速を低減させ、深掘れ(洗掘)の進行を抑える。(比較的流速の速い河川にも適用可能)

【シート張り工】

【シート張り工】

〔出典〕国土交通省資料

合成繊維シート(ブルーシートなど)に骨組み材や重し土のうを取付けた状態で河川へ投入し、川側斜面を直接保護する。(流速の速い河川での適用は困難)

【水防マット工】

【水防マット工】

〔出典〕淀川左岸水防事務組合HP

防水マットに縦にポケット状の袋が着けてあり、上から石や土のうを投入すればすぐに設置できる。

【立籠工】

【立籠工】

〔出典〕黒部河川事務所HP

川側堤防斜面に蛇かごを立てて被覆する。

(亀裂防止)

【五徳縫い工】

【五徳縫い工】

〔出典〕淀川左岸水防事務組合HP

堤防の天端や小段の平場で亀裂が生じた場合に、亀裂を挟むように両側に竹を打ち込み、竹3本組、4本組の弾力を活用し、亀裂の拡大を防止する。

【繋ぎ縫い(鉄線)工】

【繋ぎ縫い(鉄線)工】

〔出典〕淀川左岸水防事務組合HP

堤防の天端から裏のりにかけて亀裂が生じた場合、堤防の表法と裏法を鉄線で結び、亀裂の拡大を防止する。

(決壊・崩壊防止)

【築きまわし工】

【築きまわし工】

〔出典〕淀川左岸水防事務組合HP

堤防が削られて薄くなった断面の不足を補うため、裏法面に杭を打って竹で編み、土のうを詰めて堤防断面に厚みをつける。

【杭打積土のう工】

【杭打積土のう工】

〔出典〕鷺山まちづくり協議会HP

堤体が飽和状態になり、川裏法面に法崩れが生じた場合、またはそのおそれがある場合に行う。法崩れの下部に並べて杭を打ち込み、布丸太を鉄線で取り付け、支え木丸太を止めぐいで留め、土のうを数段積み重ね法崩れを防ぐ。